前回に引き続きコミュニケーションについて。

会話の流れでは、いちいち主語はつけなくてもコミュニケーションはできます。
ところで、『日本語に主語はいらない』という著書があることを発見しました。
他にも、主語不要論など、検索してみると色々と出てきます。
たしかに、そんな気がしますし、大変に興味深い話題です。
今度、読んでみようかと思っています。

ですが、ソフトウェア開発の世界では、主語は必要だと思っています。
むしろ、不要論なんて言われたら大迷惑です。
会議の場では、あえて主語を確認することがあります。
『誰が?』とか、『何が?』などの突っ込みです。
(それも、結構な頻度で確認します)

無理やり感のある事例ですが、認識違いが出てくる文章です。
【受注管理システムの注文完了時の処理について】
注文を完了すると、注文情報から商品梱包指示書と配送指示書を作成し、出荷待ちキューに登録する。

一見すると、システムが何をやるかを明確に記述されているように見えます。
しかし、この文書の場合、『誰が』の記述がありません。

【受注管理システムの注文完了時の処理について】
顧客サポート係が注文を完了すると、受注管理システムは、注文情報から商品梱包指示書と配送指示書を作成し、出荷待ちキューに登録する。

タイトルが、受注管理システムの処理なので、文章内の『受注管理システムは』は省略しても差支えないですが、アクターになる『顧客サポート係』は記載が必要かと思います。

ユースケース図を描く際には、先ずはアクターの抽出からですし、主語を意識することは重要かと思います。
また、利用者が誰であるかを明確にすることで、その人のやりたいことに対するズレ(認識の相違)も減るのではと思います。

このように、ソフトウェア開発の世界では、主語は必須と思っています。
仕様整理の打合せの場でも無意識に主語を外してしまう癖。
この癖を無くすため、自然言語でのコミュニケーションと同様に反復訓練です。