あるお客様からのご依頼で、システムのバージョンアップ開発を行っておりました。
今回は、長年、パートナーとしてお手伝いいただいている会社様経由での開発です。
無事、一通りの完成までこぎつけ、お客様へお披露目(β版リリース)に至りました。
お客様には、今回要求分の5つの新機能の操作感をお試しいただくためです。

が、ここで問題が起きました。
カスタマイズ機能5つのうち、1つは未実装のままだとのことです。
しかし、開発者がいうには、
『開発の手戻りを効率化するために、1つの機能は未実装にしました』
とのこと。
全く同じ機能なので、1つで試してもらい、変更などあればそこでブラッシュアップ。
結果をもうひとつの機能に反映するのが効率的なためとか。

確かに、全く同じ機能が2つ実現するのは事実なのですが…
さて、みなさんはこれをどう思われますか?

この開発者の考え方は、開発の観点からは正しいかも知れないです。
ただ、これには大きな間違いが2つあると思います。

1つは、お客様は機能評価という視点よりも、運用を意識されます。
機能が同じでも、目的が異なれば運用も異なります。
そもそも同じ機能で良かったのかどうか?
なので、両方の機能をそれぞれ運用評価していただく必要があると思うのです。

そして1つは、そもそも、何故、事前に相談していただけなかったのか?です。
開発者へは、『今回の確認版は、バグ付きで良いので全機能を必ず網羅したものが必要です』と明確に要求をお伝えしています。
(普段はリモートワークのため、お目にかかることは無いのですが、この時は直接お話をさせていただきました。)
何故、この要求をお伝えした時に言ってくれなかったのか?
百歩譲って、事後でも何故報告が無かったのか?
報連相の最も基本系の話だと思うわけです。

開発業務はリモートワークに比較的相性が良いと考えていましたが…
ちょっとしたコミュニケーションエラーがきっかけで、このような事態に陥ってしまうことを考えると、人によっては考えないと駄目なのかも知れません。

今回の件も、リモートでなければと思いました。
会議の場でなく普段の会話の中で、こちらが気付いていたでしょうし。

そうは言っても、世間はリモートワークです。
『いつもよりもっともっとコミュニケーションを大切に!』を意識してすすめます。

なお、その後、開発者にもご理解いただきました。
未実装分も無事対応してもらうことが出来ました。