近々にお客様を訪問してヒヤリングさせていただく機会がいくつか出てきています。
以前に話をしたかも知れせんが、目的と意図の重要性についてお話します。

ヒヤリングの際に、目的と意図は必ず確認します。
訪問すると、大概はお客様からやりたいことが説明されます。
そして、この時に理由や現状の問題点などもあわせて説明されると思います。

このお客様の話から、目的と意図が明確になればこれで話は終わりですが…

本当のボトルネックは他にないのか?、潜在的なニーズは?
経営者のマインド、推進派と現状維持派の関係など、
様々な背景事情があっての話なので、ことはそう簡単ではないことが多いです。
意図をくみ取るためは、背景をしっかり理解しないとくみ取れない場合が多いです。
なので、目的と意図だけでなく、背景もしっかりと確認します。

目的とは、何をもってゴールとするか?
意図とは、そもそもなぜそれをするのか?何のためにそれをするのか?
背景とは、物事の背後にある事情など。
ということですが、これらには因果関係があります。

なお、ヒヤリング時は、お聞きするのが精一杯です。
その場では整理できません。
できるだけ『目的、意図、背景、用途』などの言葉を頭に描きながらヒヤリングに専念します。

整理は持ち帰ってから行います。
お客様からもらった情報を元に、必ず、
・目的は?
・意図(動機や理由)は?
に整理し、必ず背景事情を元に裏付けもとるようにします。
目的、意図、背景事情との関係を図示するとこんな感じになるのではないかと思っています。


矢印が考え方の流れになると思います。
目的に対し、そもそもなぜ?という話があり、だったらどんな手段で実現すれば、その目的を達成するか?

そして、ここにソフトウェア的な関係線(依存関係)を入れてみます。。
目的とか手段系は意図によって変わってくると思います。
そして、意図(動機)は、様々な背景事情によって左右されると思います。
整理する過程では、まさにこの矢印の流れのように何度も行き来します。

これらが綺麗に整理されていると、方向性は外さずに済むと思います。
要件定義書や仕様書に関わらず、背景や目的、意図に関する説明は冒頭書き出しの概要になります。

定義書であれ、仕様書であれ、ドキュメントの冒頭書き出しって、書きづらくないでしょうか?
(いきなり仕様の説明など、概要が存在しないドキュメントが多いように思います)

実は、冒頭の書き出しのスラスラ度合いってすごく重要だと思っています。
ここがスラスラと書けるか否か?が、対象課題に対する自身の理解の深さと比例しているのでは?
と感じています。
そして、その理解を深めるもとは、目的と意図、そして背景事情だと思います。

ちなみに、目的と意図の重要性は、なにも要件定義に限ったことではありません。
機能追加を行いたいという相談があったとしても、まずは目的と意図を確認すべきです。
そうすることで、外さない機能実現ができると思います。