今回は、ソフトウェア製品開発の前工程というテーマになります。
前工程ですが、恐らく各社各様だとは思っていますが、何らかの計画/準備はあると思います。
これまでの経験では、製品開発の前に企画を開発の前工程で行ってました。
メーカーに勤務していた頃は、開発と企画は組織が別れていましたが、
独立してからは、企画も開発も運営も全て完結して行っていました。
独立後の製品開発の経験として、主に以下が挙げられます。
・自社製品の開発を行った時
・製品企画から開発までの全工程をお請けした時
(決まったことをお請けして時は受託開発のみでした)

上記の場合、
これまで主として説明してきた業務系システムの開発とは上流工程のプロセスが異なります。
業務システムの場合、開発前工程として業務分析が挙げられます。
一方、製品開発の場合、前工程が製品企画になります。

製品の企画において、まずは『誰に、何を、どのように』を考えます。
このフレームワークは、今回に限らず、あらゆるビジネスの場面(特に戦略系)で登場します。

対象市場や商品特性によって違いはあると思いますが、
製品企画の基本的な流れとして以下のような流れと思います。
①ターゲット市場の選定
②商品コンセプトの確立
③企画立案
そして、このあとに製品開発のための要件定義フェーズへ移行していくような感じです。

筆者の場合、製品開発(製品仕様はFix後)をお請けした際でも、自分なりの前工程を設けます。
必ず要件定義に入る前に製品企画の整理を行うようにしています。
製品企画から参画させていただく場合は、もっとスムーズです。
整理を一緒に行うことができるためです。

いつも最初にやるようにしているのは、
 ・製品概観として、コンセプト、ターゲット市場/ユーザー、目的、用途などを整理していきます。
 (整理されたものがあればそれを共有していただきます)
 ・そのうえで、これらの内容を元に運用を定義します。
 ・同時に運用目的を明確にします。
です。



ソフトウェア製品の場合、特に重要なことは運用をどこまで想定できるか?だと思っています。
運用やその目的を明確化することで、製品にとって必要なスペックがおのずと明らかになると思います。

これまで携わってきた案件を思い返すと、
製品仕様は明確になっていても、運用まできっちりと考えられていない場合が多い印象です。
このような場合、必ずしも使い勝手の良い製品にならない場合があります。
B2B向けの場合、クレームに近い要望が多発したりサービスの場合だと競合への乗り換え等が発生します。
業務系システム開発での要件定義ミスが起こった時と似たような現象になります。

製品開発を成功させるには、ターゲットやスペックがきっちりと落とし込まれていることが前提です。
が、それだけではないと思っています。
ソフトウェア製品の仕様決めを行う際には、必ず運用を明確にすることをお勧めします。